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それは、2004年の秋であった
7ヶ月ほど時計を巻き戻し、2004年10月の頃である。

芸術の秋にふさわしくバイオリンのプライベートレッスンをスタートさせることにしていた私であるが、元々バイオリン族に興味を持ったきっかけがストラディバリの謎に代表されるような音の不思議だったことを思い出していた。



誰がヴァイオリンを殺したか

誰がヴァイオリンを殺したか

  • 作者: 石井 宏
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2002/03
  • メディア: 単行本



この本では、古いガット弦の頃の音色が本来のヴァイオリンの音だという基調で現代バイオリンを批判的に書いているが、そういった旧世代の音を楽しむにせよ、現代的に改造されているストラディバリの音色を追及するにせよ、エレキバイオリンroseにそれを求めるのは無茶というものであろう。

いわば蓋然が必然に昇華し、背中を押されるようにあるホームページのボタンをクリックした男がいた。



発注したのは、工房ミネハラのキットである。
発注する前、これの元ネタ商品がいくつかのページで安く紹介されていて、どれにするかを迷っていた。
元ネタ商品はHOSCO社V-KIT-1であり、ネットで12,000円~15,000円程度で売られている。
バイオリンキット、オール単板モデル

が、決め手は、指板、ナット、サドルが黒檀にグレードアップ済みであることと、「親切マニュアル」が付くという殺し文句である。
追記:こう書いたが、せばすちゃん氏のページを良く見るとHOSCOのものもチューナー付きテールピースだし、指板は黒檀っぽい。
実は、HOSCOのキット自体がグレードアップされているのか。
だとしたら、ミネハラのは「親切マニュアル」だけが違い?

追記2:販売店に問い合わせたが、HOSCOのV-KIT-1はエボニー指板・柘植ペグ・ファインチューナー付きに仕様変更されているとのこと。
ミネハラのキットとの8000円の差は+親切マニュアル-(弓+松脂)
ということで、実質1万円以上高い買い物をしたことになる。う~む・・・


正直、木工細工はホームセンターで買ったラックの組み立て程度しかしたことがなく、削ったり切ったりなど、からっきし自信はないのであった。

ミネハラ社のキットはパーツはグレードアップ品になっていて、松脂、弓は付属しないというものなので、roseの弓を使えばいいやと考えていた私にはV-KIT-1との価格差は許容範囲であったのだった。
(だが、後で調べると、ミネハラの単品グレードアップ商品の値段を合計してもこの価格差まで到達しないことが判明。
う~ん、ネットでの買い物は難しい)

親切マニュアル付きと言われても、ストラディバリの秘密に分け入ろうとする男にはそんなものに頼る理由はなく(ぉい、さっきと言っていることが違うぞ)、同時に、バイオリン製作の定番本



The Art of Violin Making

The Art of Violin Making

  • 作者: Chris Johnson, Roy Courtnall
  • 出版社/メーカー: Robert Hale Ltd
  • 発売日: 1998/04
  • メディア: ハードカバー



をアマゾンに発注していたのであった。
この本に書かれた、バイオリン製作の奥の深さに畏敬の念を抱き、かつ、削りだされた木々の痛みを和らげるため、購入したキットにはしばしの休息を与えることにきめ、押入れの奥深くに静かに安眠の場所を与えたのであった。

これだけでは、私が単に衝動買いしたものの、怠惰に流され、手をつけなかったと誤解する向きもあるだろうから、ここでバイオリン製作の奥の深さの一端を軽く紹介しておこう。

ポイントは、バイオリンの音質を決定する表板と裏板の調整である。さまざまなホームページを検索し調査した結果、ストラディバリの現物の測定結果をフォローして同じような厚さに削る人が多いことが分かる。

ところが、例の本には厚さのことなどほとんど書いていない。書いてあるのは、まずは全体を3mm厚程度に削ってからタップトーンでチューニングすべしという深遠なる記述である。

タップトーンは3モードあり、板の下の端、末端、中央を叩くことで、それぞれ異なる3種類の振動分布が発生する。この共振点を本で書かれた周波数に調整するのである。
振動の腹の木の強度を落とすように削ると共振点が下がるのであるが、当然ながら削りすぎは許されない。

ネットで0.1mm単位でキャリパーで測りながら削るという人たちがいるのにも頭が下がるが、タップトーン調整の方は、3つのモードを独立に調整する手法など想像だに出来ず、このような手段で製作をしていたであろうクレモナの人々に畏敬の念を抱かざるを得なかったということである。

決して、単なる怠惰でほったらかしにしたわけではないことを 再度 強調しておこう

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【2006/02/14 23:01 】 | バイオリン製作(eagle) | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
サイレントバイオリン vs. ミュート
2005年5月のある日曜日
私は楽器の町のあるバイオリン店にいた。

友人がバイオリンやってみたいといって、「大きな音が出るからサイレントがいいかな~」
といっていたのを、「私は安いエレキバイオリンを使っているけど、サイレントくらい小さな音になるよ」
と教えて、一緒に見に来たのであった。

少し離れたところに中古の楽器屋があり、まずはそちらに向かった。
その店には、私のエレキバイオリンroseと同じもの(少し古い型)があった。値段も安く、「これにしようかな~」という友人に、楽器店の人にお願いして弾かせてもらう。
ところが、古い型のArtisanのエレキバイオリンには、肩当てを止めるような出っ張りがないので、うまく肩当が止まらない。しかもこの楽器、あちこち傷みも多く、やっぱり何も分からず始めるレイトスターターには中古は止めたほうがいいだろうと、結論し、○○バイオリン本店に向かう。

入り口すぐにおいてあるエレキバイオリンは私のモデルとは違うけれど、もっと軽く、弾きやすそうだったので、店員に言って見せてもらう。

「これがいいかなぁ」などと、初心者丸出しの我々の会話を聞いていた店員は、
「何でエレキバイオリンなのですか?」と聞いてきた。
「大きな音が出ると、周りに迷惑なので、サイレントの代わりと思って」と我々
「エレキはエレキとして使うためのもので、練習用なら普通のバイオリンにミュートをつければ十分小さな音になりますよ」と店員。
え”?」と驚く我々
店員はバイオリンを持ってきて、金属製の練習用ミュートをつけて楽器を渡してくれたので、ちょっと弾いてみる。「これで練習済まそうとしてる」と言われながら、ついでに、そのときレッスンでやったチャルダッシュの頭の部分や前にやったタイスの瞑想曲やボッチェリーニのメヌエットをミュートをつけたり外したりしながら弾いた。

ぉお~、確かに、これならエレキバイオリンと遜色ないほど小さな音になる!

ふふっ、ヤマハのやつめ、やられたぜ~、まんまと戦略に引っかかって、サイレントを買うところだった

(って、最初からヤマハのは買うつもりはなかったが、私はしっかりエレキを買ってしまったではないか。今となっては、夜中の録音などエレキならではの使い方をしているからいいんだけど)

友人は、入門向けセット
Stafford SFV-01 ヴァイオリンセット
とミュートを購入し、意気揚々と帰ったのであった。

ん~、しかし、知らないとは恐ろしいものだ。ミュートがあんなに効果があるのであれば、私だって重くて(750g)構えるのにも苦労するエレキより、生バイオリン(500g台)の方がいいに決まっている。

でも、すでにエレキを買ってしまったので、ここで生バイオリンを買いなおすのはどう考えても自分の敗北を認めることになるぞ~

と、アダルトなプレーヤーは苦悩するのであった

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【2006/02/14 09:46 】 | 機材 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
タイスの瞑想曲
2005年1月半ばから、いよいよタイスの瞑想曲である。
バイオリンを始めてから3ヶ月での挑戦である。はっきり言って、チャレンジャー以外の何者でもない(笑)
次の曲にタイスをやりたいといったら、「え~!」と驚く先生。
でも、まぁ、やりたい曲をやるのが、アダルトなプレーヤーなのだ。

というわけで、タイスの瞑想曲を始めたのだが、この曲は、迷走に迷走を重ね、OKが出るまで3ヶ月かかり、季節はすっかりサクラも散った4月の終わりになっていた。

タイスの瞑想曲の難しさといったら、なんと言っても、やたらと多用されるハイポジションでの演奏である。1stポジションの音階ですらまともに音が取れていないアダルトなレイトスターターには、まさに無謀といっても良いほどの曲である。

ところが、そこは、アダルトなプレーヤーは怖いもの知らずであり、どれだけの無謀を自分がやっているかを認識せず、ひたすら、自分が好きな曲を選曲するのであった。

それでは、自作生バイオリンeagleでの演奏をお届けしよう。

2006.1.21録音 タイスの瞑想曲(eagle)

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【2006/02/14 03:13 】 | バイオリンレッスン | コメント(1) | トラックバック(0) | page top↑
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